tairoの徒然日記

心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書く日記

進化と退化

 皆さん、お久しぶりです。多忙が極まり、1ヵ月も更新が止まっていましたが、無事に夏休みとなり、時間もそれなりにできましたので、また更新を続けて参ります!久々ですが、いきなりトップギアで飛ばしていきましょう!

 

 趣味の話もしたい!でも、それだけでは誰も読んでくれない!小さくも強固な苦悩を抱える今日この頃、皆さんはいかがお過ごしですか?

 少し前にはなるのですが、戦争に関するある映像を見ました。「731部隊」というのを聞いたことはないでしょうか。え、ない?うーん、そうですか…。まぁそれでも結構です。簡単に説明しておきましょう。「731部隊」とは、正式名称を関東軍防疫給水部と言い、戦時中に、当時禁止されていた化学兵器の開発を担っていた日本軍の組織の1つです。戦車や戦闘機が開発されていながらも、攻撃手段には主に火薬を用いていた当時の潮流に新たな流れを生み出さんとしていた組織なのです。科学の発展にはよくも悪くも目的が必要だとは思うのですが、戦争がその一翼を担っていたということの1つの表れでしょう。技術の発展=国の発展、国の発展=国の存続、つまり技術の発展=国の存続、そんな構図が当時には存在していたのでしょうね。

 実際の史実を追えばこのことがわかるのですが、それ以降のことはそれだけではわかりかねます。そこで、私が考察の対象に挙げるのはSFです。技術の発展の先に何があるのか、私にそんなことを考えさせた1つの作品をご紹介します。その作品は機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(通称:鉄オルです。はい、鼻で笑ったそこのあなた。私は、そんなあなたを唸らせるような記事を書くことをここに宣言します。

 公式サイトの引用ですが、簡単にあらすじを紹介しましょう。

かつて「厄祭戦」と呼ばれる大きな戦争があった。その戦争が終結してから、約300年。

地球圏はそれまでの統治機構を失い、新しい支配体系をもって新たな世界が構築されていた。仮初めの平和が訪れる一方で、地球から離れた火星圏では、新たな戦いの火種が生まれつつあった。

主人公の少年、三日月・オーガスが所属する民間警備会社クリュセ・ガード・セキュリティ(以下:CGS)は、地球の一勢力の統治下にある火星都市クリュセを独立させようとする少女、クーデリア・藍那・バーンスタインの護衛任務を受ける。しかし、反乱の芽を摘み取ろうとする武力組織ギャラルホルンの襲撃を受けたCGSは、三日月ら子供たちを囮にして撤退を始めてしまう。少年達のリーダー、オルガ・イツカはこれを機に自分たちを虐げてきた大人たちに反旗を翻してクーデターを決意。オルガにギャラルホルンの撃退を託された三日月は、CGSの動力源として使用されていた「厄祭戦」時代のモビルスーツガンダム・バルバトスを用いて戦いに挑む。

g-tekketsu.com

まぁ、何の事やらわからないと思います。正直なところ、ストーリーの内容は今回の記事にはあまり関係ありませんので、別にこれを理解してもらう必要もありませんし、特別説明も加えません。ですが、あえて一言付け足すのであれば、ガンダムをまったく知らない人にも見てもらえる作品である、ということでしょう。

 さて、本題に戻りましょう。私があえてこの作品を選んだのには、それなりの理由があります。と言うのも、この作品と他のガンダムシリーズ作品とでは大きく異なる点があるのです。それは、モビルスーツ(MS)同士の戦闘シーンにあります。他のシリーズだと、ビームサーベルビームライフルに代表されるビーム兵器であるとか、脳波で動かすサイコミュやドラグーンシステムなど、時代を追う(現実・シリーズ中に関わらず)ごとに、登場する兵器の科学的要素がどんどん増していきます。そこで一石を投じたのが鉄オルなのです。鉄オルに特徴的なのは、MS同士の肉弾戦です。技術が高まりすぎて、もはやビーム兵器が通用しなくなり、実弾を用いたり、殴る蹴るで攻撃するようになったのです。つまり、技術が進化した先に待っていたのは退化だったという訳なのです。

 かつて、かの有名な科学者アルベルト・アインシュタインは、このような言葉を残したと言われています。

第三次世界大戦がどのように行われるかは私にはわからない。だが、第四次世界大戦が起こるとすれば、その時に人類が用いる武器は石とこん棒だろう。

もし仮に、第三次世界大戦が起きるとすれば、それは核戦争になるだろうと言われています。これは技術の進化の過程と言えるでしょう。ですが、核兵器が使われたあとはどうなるでしょう。文字通りの不毛の地となり、残留する放射能によって人も住めなくなることは、日本人である皆さんには、もはや言うまでもないことですよね。進化を遂げた文明の利器によって、文明の退化が起きるのです。そうして、退化した文明のもとで起きる第四次世界大戦は、そりゃあ石とこん棒でやりあうでしょうと、アインシュタインはこう予言した訳です。

 鉄オルの制作サイドがこれを話に取り入れたのかは定かではありません。ですが、少なくとも現実世界において進んでいくであろう道を、SFでは既に通り越しているのです。私が先ほどのアインシュタインの言葉を知ったのはごく最近で、鉄オル放映当時は知らなかったのです。当時の私は、現実世界でも科学の進歩によって今までの常識が通用しなくなる時代がくるのかなぁなんてことを考えていました。

 アニメの世界観を現実世界に持ち込んでいる時点で既にオタク丸出しな感は否めませんが、逆を言えば、そういう考察を可能にするのがSFのいいところではないかと思うのです。作品によっては社会状況を反映して制作されているものもあります。そういった視点もあるということを知った上で、ぜひ鉄オルを見てみてください。作品自体も相当面白いものとなっています。