tairoの徒然日記

心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書く日記

傍観者の戯言

本来であれば予約投稿するつもりの記事があったのですが、

今日は見送ることにします。というのも、少し気になることがありまして。

ふとTwitterを見ていると、何やら物騒な言葉がトレンド入り。

気になって検索していると、どうやら大阪で飛び降り自殺を図った人がいた模様。

 

この一連の流れで、私が気になったのは、

飛び降りの瞬間を収めた動画が何本も拡散されていること、

そして、それを見た人たちの反応です。

 

動画を投稿したツイートのリプ欄には、

「不謹慎です。やめてください。」

「よく撮影なんかできるな。」

というような批判が多く見受けられます。

 

その一方で、当該ツイートのRT・いいね の伸びはなかなかのもの。

 

批判的な考えを持つ人もいる一方で、

実際の状況がどうだったのか気になる人が、一定数存在することの証拠でしょう。

事実、私も調べてしまったうちの1人。

 

私は、そんな物々しい現場に出くわしたことがないので、

想像以外で話すことはできないのですが、

動画なり、写真なりを撮影している人を一方的に非難する人の心境が、

どうしても100%理解することができないのです。

さすがに私は現場にいても、そんなことをする度胸もないのですが。

 

撮影者全員に拡散の意図があるわけではないという、

推定無罪のような前提で話を進めていますが、

眼前の珍しい光景を撮影してしまうのは、ある意味自然なことだとは思いませんか?

 

決して、彼ら彼女らを弁護したいわけではありません。

しかしながら、私はただ頭ごなしに一方的に非難するのにも違和感を感じたのです。

 

自殺現場を撮影するなんて不謹慎だという考えにも大いに賛成です。

ただ、撮影者に悪意があったわけではなかったはずだ

ということも忘れてはいけないと思います。

 

その点、“自殺の撮影会” とも言えるような異様な光景に、

違和感を覚えることができた人も多くいたようです。

 

ただ現場に居合わせて、考えなしにカメラを向けた人たちと、

その光景の異様さに気づいて声を上げた人たち。

まるで、ストリートライブをたまたま見かけたギャラリーと、

その様子を批評するコメンテーターのような、

そんな関係に見えなくもないですね。

(この例えこそ不謹慎かもしれませんが、他意はないのでご容赦ください。)

 さらに言えば、それを拡散する人は、メディアといったところでしょうか。

 

この話題がこんなに持ち上がることは滅多にないでしょう。

数ヶ月前に私が住む近くでも飛び降りがありましたが、

ここまで大きな騒ぎにはなりませんでした。

まぁ、人口規模などが大きく違うので当たり前なのですが。

 

自殺どうこうという話になると、どうしても脳内を流れる歌があります。

それは、あいみょんの『生きていたんだよな』です。 

 


あいみょん - 生きていたんだよな 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

 既にネット上では、この曲の歌詞を引用して、

カメラを向ける野次馬たちを批判する人も見受けられます。

 

あいみょんを敬愛する人間として、その行動は間違いだとここで言わせてほしい。

確かに、歌詞の中には自殺現場に群がる野次馬たちを、

皮肉を交えて表現する箇所があります。

しかし、その部分はあくまで情景描写であり、

あいみょんが伝えたいメッセージとは全く異なると思うのです。

 

この曲の真意はそんな野次馬たちを揶揄するところにはないと思います。

この曲は、飛び降り自殺を図った女子高生が一体何を思って飛んだのか、

それを推し量り、彼女なりに表現したものでしょう。

 

もし、今回のケースにおいて、あいみょんのこの曲を引用するなら、

すべきことは、野次馬の非難ではなく、

飛び降りした人の気持ちを推し量ることではないでしょうか。

 

この曲には、野次馬を非難する歌詞もなければ、

女子高生に同情したりするような歌詞もありません。

 

最近、コメントなどの一部のみが切り取られて報道されることに

不快感を示す芸能人も少なくないですが、

軽率に、不用意に、他人の言葉を借りるべきではないでしょう。

 

自分が思っていることは、自分の言葉で表現してなんぼです。

他人の言葉に逃げるのは、好ましい行為ではありません。

 

話が脱線してしまいましたが、

 

実際に現場に自分がいたらどの立場になるだろうか、というのを考えてみました。

 

今回の私はかなりややこしい立ち位置になるので、

少なくとも、前述のどれにも当てはまりそうもありません。

 

強いて名を付すとしても、単なる傍観者というところでしょう。

傍観者にしては、少々口を出しすぎている気もしますが。

まぁ、傍観者の戯言だと思って読んでください。